スラムでの出会い


 カンボジアの首都、プノンペンのスラム。ここを訪れたのは、現地NGOの事業である学校運営を見学させてもらうため。学校のすぐそばで、一人の子どもと出会った。引き込まれるような強い眼差しで、こちらをじッっと見つめている。そんなに外国人が珍しいのだろうか?確かにプノンペンでは、あまり旅行者を見なかった。とはいえ、全くいなかったわけではない。
 カンボジアという国、特にアンコール遺跡群のあるシェムリアップに至っては、外国人で溢れかえっている。多くは日本、韓国、中国、そして欧米の旅行者。
 アンコール遺跡群には、惹かれるものが少なかった。確かに有名な世界遺産ではあるけれども、それより町で人とふれあう方が格段に楽しかったし、刺激的だった。ただ、今思えばアンコール遺跡群にも人はいて、子どもも沢山いる。地方と違うのは、撮影すると「ワンダラー」と言われること。それを聞く度に、寂しくて、つまらなく感じた。けれど、そんな子どもたちの屈託のない笑顔を撮りたいと思った。「人」を撮るほど難しいことはないし「人」を撮るほど楽しいことはない。


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